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ベンチャー経営者の本

書籍名:一冊の手帳で夢は必ずかなう
著者名:熊谷正寿
出版社:かんき出版
紹介:手帳を活用することでなりたい自分になれる方法を説きます。
感想:以下の点に関心を持ちました。(04年5月読了)
・夢をかなえる方法の一つ、それは、手帳に書くことです。手帳に、自分の夢を書き込むのです。将来の目標、やりたいこと、人生の計画、すべて手帳に書き込むのです。そしてその手帳を常に持ち歩くのです。
・みなさんも、将来の夢や目標はたくさんお持ちだと思います。でもそれらは、漠然と頭の中だけにあるのではないでしょうか。自分の大切な夢を、いつ思い出し、いつ忘れ去ってしまうかわからない頭の中に漂わせておいて、その夢はかなうのでしょうか。いつのまにか自分の夢が、小さくなったり、無くなったりしていませんか。
・夢をかなえることは、容易ではありません。計画性と、常日頃からの努力が欠かせないはずです。ですから、「ふと思い出した時」や「机に座って、色紙が目に入った時」にだけその夢を追いかけようと思っても、それをかなえることはできません。
・私は、大切なことを手帳に書くだけではなく、書いたことを何度も読み返すことを習慣にしています。それは書きっ放しにしたくないからです。
・思ったことは手で書く、それを何度も読み返し、思いをより強くする。そういう強い思いがあれば、夢に向かうモチベーションが高まり、努力が促されます。結果、書いた通りの夢が実現するのです。
・夢を持つことに関して、大半の人は「分相応の夢かどうか」を考えて立ち止まってしまうかもしれません。でも、それは無意味です。人の「分」というものは、夢に向かって努力するからこそ向上するのであって、夢を限定する物差しではないの
です。
・たぶん、自分の現状を客観的に眺めると、夢とはあまりにもかけ離れた未熟な自分が随所で浮き彫りにされると思いますが、ここから逃げてはいけません。夢と現実との乖離を埋める行動計画そのものが成り立たなくなるので、辛抱して「目をそむけたくなるような情けない」自分自身を見つめることが大切です。
・大切な言葉というのは、書くことでいっそう、重みを増します。書かなければ、いっときの感動に終わり、やがて忘れ去られるのがオチです。文字として残し、それを繰り返し読んで思い出すことによって、いつまでも頭と心に刻まれます。
・心に響く言葉に出会ったら、手帳という名の自分の脳ミソに書いて残す。そうしなければ、せっかくのせっかくの出会いの台無しです。「いい人生」を歩むための大事な道しるべを失うことにつながり、とてももったいないと思います。
・目の前で起こった問題を「運命」と捉えてしまう人は、その問題が大きいと「これは運命なんだから、私の手には負えない。解決できなくても仕方がない」と考えます。
・一方で、目の前で起こった問題を「自分の選択・責任」と考える人は「私に解決できない問題は、私に起こらない。だったらこの問題も、私の対応一つで解決できるはずだ。私には、問題を解決できる力と責任がある」と前向きに取り組みます。
・私は、「勉強」という言葉は、「身につけたい教養を求めて行動する」ことのすべてを指すと解釈しています。本を読むことをはじめ、人と会って話したり、何かを体験したり、テレビを見たり、街を歩いたり、そういう日常の何気ない行動だって、そこに「何かを得たい」という知識欲があれば、それは勉強なのです。
・何かを思い立ったら、すぐに行動したい衝動を抑えて、まず一息おく。そして最短のルートを見きわめてから、そこを一気に突っ走る。この考え方は、いろいろな場面で役に立つと思います。
・いい出会いは、求めなければ実現しません。自分の夢、人生に大きな刺激を与えてくれそうな人を見いだし、積極的にアプローチして対面を果たす。それが自分の仕事へのモチベーションを高め、仕事術に磨きをかけるきっかけになるはずです。
・何も一対一のコミュニケーションでなくたっていいのです。講演会などに出かければ、必ず、質疑応答の時間が設けられていますから、手を挙げて質問するまでのこと。そうすれば個と個で話せる時間が得られます。また、その人の著書を通して、その人の人生に触れることもできます。
・大切なのは、人との出会いに刺激を求める気持ちです。「会って話を聞きたい」という熱意はきっと、相手に伝わるものです。また、人からあこがられる人物というのは懐も深いものです。アプローチする前に「自分となんか会ってくれないだろう」とあきらめることはありません。
・自分にとってのいい情報を収集するために一番必要なものは、「夢」や「目標」から逆算した「目的意識」ではないでしょうか。こればなければ、どんなに質の良い情報も、その人にとってはゴミ同然でしょう。
・情報整理のコツはいろいろあると思いますが、私が一番重視しているのは「情報整理はサイズの統一から」という鉄則です。
・誰もが等しく持っているものの一つが「時間」です。寝ている八時間と、働いている八時間を除いた、残りの八時間の使い方が、その人の「差」になると私は考えています。私は、残りの八時間は自分の夢の達成のために「仕事」に費やしてします。
・もし「ビジネスマンの口癖ベストテン」なる統計をとってみると、「忙しい」「時間ばない」という言葉は、おそらくトップにランクインするのではないでしょうか。現代社会には、「暇だなんて言うと、恥ずかしい」風潮すらあるようです。
・かく言う私も、夢実現に向かってやるべきことが山積しており、毎日がとても忙しいし、いくら時間があっても足りないくらいです。
・ただ誰かに「忙しい」「時間がない」とグチをこぼすようなことはありません。そんなことをしている暇に、何らかの行動ができるからです。「時間がない」ことを嘆くより「どうにかして時間をつくろう」と工夫するほうがずっと重要だと思うのです。
・最初に強調しておきたいことがあります。それは「会社には、売り上げや利益よりも重要なものがある」ということです。もちろん、売り上げや利益の向上を抜きにして会社経営を語ることはできません。しかし私は、売り上げや利益は「会社を存続させるための手段」と考えていて、決して「会社を経営する目的」とは考えていません。
・「仕事が遅いヤツは残業代が儲かるから、仕事が速い僕より月収が多い。業績への貢献度は僕の方が上なのに」といったグチを耳にしました。このシステムでは、企業の急成長は望めません。


書籍名:一勝九敗
著者名:柳井正
出版社:新潮社
紹介:ユニクロの経営者が失敗しても勝つ経営を説きます。。
感想:以下の点に関心を持ちました。
・会社というのものは、「組織や資産規模が売上規模に応じて変動するような仕組み」が効率的だし、そのような柔軟性を持たないといけない。
・固定化された組織は早晩、ダメになる。会社は期限があるものであるがゆえに、環境変化に対応して絶えず変化させていかなければ生き残ってはいけない。経営者は企業環境がどうあろうが、収益を上げ続けることが責務なのだ。
・かつて日本人論がはなやかだったころ、日本人は中流階級意識が強く、集団主義的な傾向が強いといわれた。
・一方向あるいは一つの意見にまとまってしまうマスコミは、そのころから脱却していない。日本人の感覚は競争社会にさらされて少しずつ変化してきているのに、マスコミの競争意識は横並びのスクープ合戦に過ぎず、論調には何の独自性もない。
・ただ単に「セルフサービス」というと、わが社は経費節減のためにやっています、という感じがしていやなので、「お客様の要望としてのセルフサービス」の店が理想だ。それがわが社のモットーになる「ヘルプ・ユアセルフ」方式だった。
・本屋やレコードショップは求められない限り、接客はしない。その分、お客様の欲しいものを欠品しないように品揃えする。そういった買いやすい環境を作ることに徹すればいいのだ。欧米のカジュアルショップでも接客はしていたが、なるべく接客することなくカジュアルウェアを売る。こんな店を作れないだろうかと考えた。
・商売と経営は違う。ぼくはもともと経営者というよりもむしろ商売人だと思っていたので、公開準備作業を進めながら同時進行で経営者にもなる努力をしたというのが実態だった。
・経営者と商売人はどう違うのか。商売人は、売ったり買ったりすること自体が好きな人。ほとんど中小企業の社長は、その意味で経営者ではないと思う。経営者とはしっかりした目標を持ち、計画を立て、その企業を成長させ、収益を上げる人のことだ。
・ぼくは社員に「高い志や目標をもて」とよくいう。人は安定を求めるようになるとそこで成長が止まってしまう。高い目標を掲げて、それにむかって実行努力することこそ重要なのだ。目標は低すぎてはいけない。到底無理だと思われる目標でも、綿密に計画をたて、それを紙に書き、実行の足跡をつねに比較し、修正していく。そうすれば大概なことはうまくいく。大事なのはあきらめないことだ。
・失敗を生かすも殺すも経営姿勢次第である。失敗は誰にとっても嫌なものだ。目の前につきつけられる結果から目を逸らし、あるいは蓋をして葬り去りたい気持ちにもなるだろう。
・しかし、蓋をしたら最後、必ず同じ種類の失敗を繰り返すことになる。失敗は単なる傷ではない。失敗には次につながる成功の芽が潜んでいるものだ。したがって、実行しながら考えて、修正していけばよい。
・危機につながるような致命的な失敗は絶対にしてはならないが、実行して失敗するのは、実行もせず、分析ばかりしてグズグズしているよりはよほどよい。失敗の経験は身につく学習効果として財産になる。
・事業を始めるときには、ぼくはいつも最終形を考えるようにしている。こうあるべきという目標を定め、それに向かって行動することが大事。誤解を恐れずに言えば、到達できるかどうかはあまり問題ではないのだ。人は高い目標があるほど頑張ろうと努力する。低い目標だったら努力しないのではないかと思う。
・会議で、もし最後まで何もしゃべらない人がいたら、ぼくは「何も発言しないのであれば、もう次回から出席しなくて結構です」と言うことにしている。会議とは読んで字のごとし、会して議論して決めるべき場所。だから、参加者は活発に発言する。
・会議は会議の場だけではない。いつでも、どこでも自然発生的な会議をしている。その場ですぐに議論して、すぐに決めて実行するためだ。誰でも臨機応変に自分の意見を言い合えないと、対応の遅れが会社にとって致命傷になるからだ。
・一番いい会社というのは、「社長の言っていることがそのとおり行われない会社」ではないかとぼくは思う。社長の言っていることを「すべて」真に受けて実行していたら、会社は間違いなくつぶれる。
・表面的に社長の言うことを聞くのではなく、まずは社長が言いたいことの本質を理解すべきなのだ。現場では自分なりにその本質を見極めどう具体化するかを考える。そして実行する。これができる会社がほんとうに立派な会社である。
・表面的な、あるいは形式的なことを重んじる大会社は、社長が言ったとおり、寸分たがわず実行している。それでは単なる帳尻合わせにすぎない。それで失敗している会社が多いような気がする。もっと、社内で誰もが発言できる雰囲気をつくることが必要だと思う。
・現実の組織あるいは人の集まりには、様々な能力を持った人がいる。十人の組織でも、最高の十人をそろえるのは無理だ。優秀な人が二人、普通の人が六人、足を引っ張るダメな人が二人、これが現実である。
・仮に十人の優秀な人が集まったとしても、気がつくといつのまにかそんな構造になってしまう。また、ダメな二人を首にしたとしても、残った八人の中でまた、ダメな二人が生まれてしまうものだ。
・会社組織というのは、優秀な人がいるだけで成長するわけではない。構成員全体のバランスが大事だと思う。優秀な人も必要だし、そうでない人も必要だ。バランスがとれていて、初めて成長するものだ。全員が組織全体の目標を共有化していて、しかも自立しながら仕事をしないと成長しない。
・すべての人たちが、一人ずつ「自営業者」としてその会社にコミットする。そういう組織を目指すべきだと思う。その大前提として、経営に対する考え方、経営理念が明確に示され、経営者たちが何を考え、何を実行しているのかもオープンになっていることが必要だろう。開かれた活力ある会社にトップダウンの一方通行はありえない。
・組織図を見るだけで安心してしまう人がいる。確かに私はこの部署にいる。ここにいて、特に部長とかリーダーとか役員を任されると、安住の地だというふうに誤解する。でもそれは、あくまでも「仕事をするための仮の姿」だというふうに思わないといけない。
・上司と部下のコミュニケーションは重要であり、「評価」という行為を通して、部下だけでなく上司そのものの能力もよく分かってくる。
・欧米の人たちは自分の実力や実力主義ということについての教育を、比較的小さいころから受けている。日本はというと、集団主義のような、「角を立てない」、「和をもって尊し」とする雰囲気がまだどこかに残っている。日本の企業風土にだいぶ浸透し始めたかに見える実力主義も、そうそううまくいかないと思っている人は実はまだ多いのではないか。
・でもぼくは、実力主義以外で人を評価することはできないと思っている。うまくいかないという以前に、このことは絶対譲れない。実力主義なしに、人を使うとか、一緒になって仕事をするということは、お互いにできないと考えている。
・たとえば、努力した人もしなかった人も、成果を上げた人も上げなかった人も、全員が同じ給料であれば、誰も働く気はしなくなるだろう。
・人が仕事をする上で、大きな動機となるのは、正当に人に評価されるということだ。経営理念第十条に「公明正大、信賞必罰、完全実力主義の経営」と書いたように、この理念がないまま人を使うことは考えられず、完全実力主義で評価することが本人のモチベーションの向上につながると思う。
・現実的に百%公正で公平な評価は、ありえない。本当に優秀で一生懸命やっている上司ほど自分自身への評価も辛いが、部下をも辛く評価しがちだ。逆に、仕事をしていない人ほど部下を甘く評価する傾向がある。
・完全無欠の人はいないが、評価には「公開性」と「透明性」が必要だ。さらに言えば、「評価する人と評価される人は対等である」という意識を、社員全員が常にもっておくべきだろう。
・本当に仕事ができて優秀な人が、その能力や成果に見合った高い給料をとったり、この会社にいると自己実現できるんだという環境をさらに作らないといけないと思っている。われわれはつねに、会社と社員の関係をお互いに緊張感のある対等なものと考えている。
・成功よりもむしろ失敗のほうが勉強になる。一方、成功というのは、ここまで可能性があるということを知らせてくれる、元気の源のようなものだ。
・成功するということは、保守的になることだ。今のままでいいと思うようになってしまう。成功したと思うこと、それがすなわちマンネリ化と保守化、形式化、慢心を生む源だ。
・商売というのは、現状があまりうまくいかないときに、「だったら、どうやればうまくいくのか」ということを徹底的に考えるということであり、成功したと思った時点でダメになるのだと思う。
・歯に衣着せぬ批判は大事である。組織のなかで肯定することと批判することが渦を巻いて、組織全体が揺れているような、そんな状態が望ましいと思っている。
・組織は、安定したらそこで終わりだ。あっちへ揺れ、こっちへ揺れることによって、その次はどこに行くのかというエネルギーを発散したり貯めたりすることが、商売にとっては大事なことなのだ。非常に難しいことだと思うが、客観性と主体性のバランスをいかにしてとっていくか、が商売の真髄なのだ。
・一直線に成功ということはほとんどありえないと思う。成功の陰には必ず失敗がある。当社のある程度の成功も、一直線に、それも短期間に成功したように思っている人が多いのだが、実態はたぶん一勝九敗程度である。十回やれば九回失敗している。この失敗に蓋をするのではなく、財産ととらえて次に生かすのである。致命的な失敗はしていない。つぶれなかったから今があるのだ。
・常に環境に適応し生き続けるためには、変化し続けなければならず、自分で自分の運命を決めることができない限り、「自分を変える」ことはできないと思う。
・人は他人からとやかく言われて働くのはいやだし、他社の意のままに働かされるのはもっといやなはずだ。
・自分のために、能動的に仕事をすべきだ。理想や目標は個人や企業によって違う。自分たちが理想とする会社を作ろうとしたら、会社を自分たちで自主的にコントロールしていかなければ達成できない。
・個人でも企業でも同じだと思うが、チャンスというのは、待ち受けてから掴むやり方に慣れてしまうとそれは後追いと同じである。
・企業は環境の変化とともに自己改革していかなければ生き残っていけない。改革するにもスピード、やる気、革新、実行力の四項目がない限り変えることはできない。
・昨年と同じ事をやったら、同じ結果が出る、という保証はまったくない。昨年と同じ事をやったら、成果はおそらく昨年の三分の一だ。プラスアルファーとして、どんな価値を付加するかを考えて、考えて、考え抜き、答えが出たら即実行するようにしてほしい。
・「チャレンジする」ことと、「困難と競争を回避しない」ことは重要である。過去、あらゆるジャンルにおいて、チャレンジしないで成功した企業はない。ものには必ず「チャンスとリスク」がある。その両方を認識した上でチャレンジすることが大事だ。個人にも同じことが言え、チャレンジしない人には「成功」は無い。
・聖書の言葉に「狭き門より入れ。滅びにいたる門は大きく、その道は広く、これより入るもの多し」(『マタイによる福音書』第七章十三節)というのがある。門が広いと、入ろうとする人が多く、過当競争でダメになる。誰もが考えることなので評価されににくい。「これは難しそうだ」と果敢にチャレンジして、そこで活路を見出す。目標に到達するには、「狭き門」のほうが近道であることが多いのである。


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